
【視て学ぶ Vol.02】JEJU DRONE FILM FESTIVAL 2019
第2回は韓国の済州(チェジュ)島で行われている空撮映像コンペティション、JEJU DRONE FILM FESTIVALの受賞作、ノミネート作の中から気になる作品をご紹介します。
チェジュ、ドローンフィルムフェスティバル組織委員会が主催するJDFFは大韓民国で最初のドローン映像専門の映画祭です。メインである映像プログラムは、招待部門であるPoint of Interestセクションと競争部門であるState of the Artセクションで構成されています。(JEJU DRONE FILM FESTIVAL 2019) |
本コンペティションは韓国外にも広く門戸を開いており、国際部門がとても充実しておりました。実は私の作品もノミネート頂いていたものの、残念ながら受賞には至らず。残念。


(当日のプログラムを見返しつつ、次回こそはと心に誓うのでありました)
▼目次 1. TOO FAST 2. PROTEST 3. DISCOVER 4. HUMAN IN THE FOREST 5. FROM DAWN TILL DARK AERIAL SHOWREEL 2019 ほか、受賞昨品まとめ
1. TOO FAST
「ハイパーラプスで見るイタリアの風景」
地元TVネットワークやNational geographic, Netflix等で活躍する航空写真家、Mauro Pagliai氏の作品。夏から秋にかけての4ヶ月間、イタリアのあちこちを回って撮られたとのこと。
環境が許せば是非4Kでご覧頂きたいです。ドローンラプスのお手本が詰まったようなカットの連続、細部まで拘ったカラグレ。特に素晴らしいな、と感じたのは”曇り”の表現、雲の捉え方です。雲から差し込む陽気や光の捉え方は正に職人芸。そして使用機材は何とMAVIC 2 PRO。恐らく相当に場を重ねているのではないかな・・・陽光が出る瞬間のドローンラプスなど、中々撮れるものではありません。。

冒頭の犬が可愛い。
2. PROTEST
「想像力を掻き立てる空撮映像と、音」
コロナ禍後の世界、映像・動画に求められる役割はまたアップデートされ、そうして求められる要素の一つに「音」が有るんじゃないかと考えています。
この作品は映像全編をFPVドローンで撮影されたもの。ポーランドの廃工場内をフリースタイルで廻り、我々視聴者は音で臨場感を得る。フッテージだけでなく、SFXへのこだわりが作品の完成度を高めるという事例。
3. DISCOVER
「魔法のような自然を探索する、少女が見た世界」
制作当時、オーストラリアの大学生だったRuben Caster氏の作品。ロケーションはオーストラリアビクトリア州、グレートオーシャンロードに立つ素朴な一軒家。と、同地の自然景勝地。
操縦も編集も決して上手くは無いんですよね。ただ、飛び抜けて素晴らしいのは世界観。少女が初めてその場所に立った時、その風景を持って感じた心象世界。創造力をそのまま載せたかのような映像。FPVドローン特有の浮遊感を上手く使った作品です。
4. HUMAN THE FOREST
「一見何でもない、森の中を撮ってみた動画」
オチを見て気付くタイトルの意味。
5. FROM DAWN TILL DARK AERIAL SHOWREEL 2019
「中国、上海で活躍するロシア人ビデオグラファー」
Vitaly Golovatyuk氏が2018年撮影したフッテージのショーリール。(※本コンペティションでSHOWREEL部門賞を受賞)
他人のショーリールを見るのって楽しいんですよね。その人の一年を凝縮した一作、どのカットも見ても参考になる要素ばかり。思わず構造分解してマニュアルを作りたくなります。
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さて、本エントリーは以上となります。今回はノミネートの中から私が気になった作品を私見で抜粋させて頂きましたが、実際の受賞作はコチラからご確認頂けます。(コンペ部門だけでなく、招待部門も多様な作品が集まっていて興味深いです!)