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コラム

広がる農業のドローン活用-スマートアグリの第1歩は農薬・肥料散布から始まっている-

福島ドローンスクール インストラクターの新井です。今回はスマート農業におけるドローン活用、とりわけ農薬・肥料散布用ドローンについてスポットを当てたいと思います。

農林水産省は、「スマート農業加速化実証プロジェクト」というものを掲げ、国内市場規模の約3分の1にあたる50億円を2019年度の予算で決定するなど、スマート農業へ向けた動きを活発化させています。

では、スマート農業とはどのようことなのでしょうか。

農林水産省HPではこのように説明しています。https://www.maff.go.jp/j/heya/sodan/17009/02.html

スマート農業とは、ロボット技術や情報通信技術(ICT)を活用して、省力化・精密化や高品質生産を実現する等を推進している新たな農業のことです。

日本の農業の現場では、課題の一つとして、担い手の高齢化が急速に進み、労働力不足が深刻となっています。

そこで、スマート農業を活用することにより、農作業における省力・軽労化を更に進められる事が出来るとともに、新規就農者の確保や栽培技術力の継承等が期待される効果となります。

スマート農業の一例として、

人工知能による複雑な作業のロボット化

1.運動の習熟機能により、これまで機械化できていなかった果菜類や果樹の収穫等の複雑な作業のロボット化を実現

2.画像認識により、赤いトマトなど収穫すべきもののみを収穫

詳細は、農林水産省HPにおいて情報がございます。

http://www.maff.go.jp/j/seisan/gizyutu/hukyu/h_event/attach/pdf/smaforum-28.pdf

■ドローンで出来ること

ロボット技術の中でも、特にドローンの活用は注目を集めており、2024年には760億円市場と予想される(2019年版インプレス社・ドローンビジネス調査報告書)など、点検分野に次ぐ安定した市場形成が進んでいます。

また、農林水産省は2022年までに日本の耕地面積の4分の1にあたる100万ヘクタールを、ドローンによる農薬散布面積とする普及数目標も示しており、ドローン活用に大きな期待を寄せているのです。

きつい・危険・汚いの3kだけなく、後継者問題を解決できる力がある

福島ドローンスクールでも昨年から農薬・肥料散布スクール「ジャパンアグリサービス福島教習所」を開校しました。

農家の方からも雑草や害虫から守るための農薬散布が大変「重労働」であるため、農業用ドローン講習を求める声を多数いただいていたためです。

オペレーターライセンス取得者も、2017年に全国で878名。2019年に約6倍となる5,349名と劇的に増加しています。(2019年の無人ヘリ技能取得者は0名だった)

機種はDJI社のAGRAS MG-1を使用しています。MG-1を現場で使いこなすための座学と実技教習を5日間で行います。

通常の手動操作だけでなく、自動航行まで学ぶことが可能

1ha・平均約10分で10㎏の農薬を散布。狭小地でも小回りが利き、ヘリよりも低空で散布効率が高く、操作・手入れ・持ち運びもシンプル。

これだけメリットがあれば、日本全国で急速に普及していることも頷けます。

しかも農業ドローンは農薬・肥料・播種(たねまき)だけではありません。

  • ビニールハウスの屋根洗浄・遮光剤散布
  • ソーラーパネル洗浄
  • 松林保護
  • 融雪剤散布
  • 除菌剤散布

このように、農業以外でも活用できることも非常に大きいと思います。

■新しい農機具

ただそれでも、ドローンが農業に入ってくることに違和感・嫌悪感を感じる方も少なからずいらっしゃるようです。それは、航空法改正後も後を絶たないドローンの事故・違反が一因としてあります。「ドローンは怖い」という印象もあるようです。

多くの方にドローンを農業で活用していただくためには、メーカー・機種ごとに安全で正しい運用方法をじっくり学んでいただく必要があります。スクールはそのためにありますし、オペレーターと教習所は一心同体と考えているので、ドローンの運用がスタートしてからのアフターサポートも、その製品を使用し続ける限り続いていきます。

また、農家の方々にはこのようにおススメしたいと思います。

農業にドローンが入ってきたというより、新しい散布用農機具が「ドローン」に代わりつつあります』と。

今回は農業ドローンでも散布について取り上げましたが、センシング(高精細カメラで撮影した画像により、作物をリモート検知)による収穫判断や病害虫診断などもスマート農業の魅力です。今後も新技術についてお伝えできればと思っています。

スマート農業が進むことで、ロボットを自在に操る農業という職種が、若者の憧れの職業になる日もそう遠くないかもしれません。