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コラム

“コロナ後の世界”への想像(創造)力

 「stay home」週間の大号令以降、全国民の“巣ごもり”運動が始まり(この文の執筆は4月末日)、人々の心の中に、閉鎖的・抑制的・禁欲的な空気が蔓延しておりますが、そのような精神状況の奥底にある、もっとも大きな不安は、「このコロナ禍の状況は永遠に明けていかないのではないか。“コロナ後の世界”というものはどんな風景なのだろうか」という共通の思いに囚われていることが大きいのではないかと感じます。

 閉鎖的・抑制的・禁欲的なイメージのものと言えば、私たちはイスラム(アラブ)社会の「ラマダン(俗に断食月と言われる)」を知っておりますが、今年は4月23日から始まっており、その期間の終わる「ラマダン明け」が彼らにとって、お祭り的な祝い事である(今年は自粛傾向とのこと)のに対し、今回の私たちの抑制生活は「もしかしたら明けることのない、明けてもお祭り的なことが許されない」もので…、本質的に質の違うモノであることはそのとおりです。しかし、ラマダンがその目的を、「飲食や闘争、性交渉等の“人間的な行為”を絶つことで味わう苦行から得られる禊(みそぎ)を行い、身を清め、自省すること」としていることは、今般の私たちにとっても共通のテーマとして掲げるべき天啓なのかもしれません。

 そして、「アラブと言えばアブラ」……。昨今の原油価格の急落は、コロナ禍報道にまぎれて現れている、もう一つの大きな出来事ですが、この動向は株価とともに、すぐ先の経済・世界を占う指標であり、「これからの世界がどういうものになっていくか」を指し示す芽のようなものと言えるかもしれません。そんな昨今の原油価格の影響や、コロナ禍による公共交通回避意識の高まりによる、これからの社会を暗示する兆しとみられるニュースに、「3月のバイク販売出荷台数推移、前年同月比7.3%増」というものがありました。この数値は同月とすれば3年ぶりの増加ということで、国内4メーカーの出荷台数で見れば、前年同月実績を二か月連続で上回ったとのこと。特に伸びているのが、50㏄超125㏄以下のいわゆる「原付二種」と呼ばれるカテゴリーのバイクで、先日の道交法改正の“追い風”もあってか、≪速度制限、二段階右折、二人乗り等≫の制限がない(50㏄以下はあり)ことで新たな交通手段として有望なのだといいます。そして、そんな新たな交通手段の普及は、生活スタイルの見直しを世の中に提案し一つの「コロナ後の世界」づくりに貢献していくのかもしれません。

 昨年2019年は、クルマ業界にとって、「自動運転化時代」というキーワードが席巻した、一つのターニングポイントとなった年でしたが、その「自動運転時代」というワードとともに取りざたされたワードが、「エアモビリティ」でした。そして、そのカテゴリーの亜種として話題となったのが、「空飛ぶバイク(ホバーバイク)」でした。聞けば、そのバイクの免許は、陸上を管轄する「道交法」で見るべきなのか、空を管轄する「航空法」を関与させた考え方でいくのか、いまだ監督官庁では検討中とのことですが、そんな制度の点においても、「コロナ後の世界」を構築する「新地球秩序 new global order」の一側面は形成されていく予感がいたします。

陸と空の交通手段が現実的に混在し、伴って、新たな交通概念が構築されていこうとするとき、前号まで触れてきていた「自動車学校とドローンとの親和性」はいよいよ、「一体性」というものに変容し、自動車学校は将来、自動運転車とともにエアモビリティも指導ラインナップにしていくものになるでしょう。そして、物流ドローン時代を担うドローンポートの基地機能なども保持していくことでしょう。
いまあらためて振り返ってみれば…、そんな新しい交通モビリティムーブメントの“ハシリのハシリ”は、ここ数年来、私たちが展開してきた『自動車学校⇒ドローンスクール』運動もその一端だった、と言って言えなくもないはず、という心ひそかな自負もあるのです。